2014年9月17日水曜日

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
Guardians of the Galaxy 
2014年 アメリカ/イギリス 121分
監督:ジェームズ・ガン

1988年、母親の死に耐え切れずに病院から駆け出した少年ピーター・クイルは突如として現われた宇宙船によってさらわれ、それから26年後、アウトローの一味となってとある惑星で墓荒らしのようなことをしてオーヴを発見していると例のサノスの下請けをしているロナンの配下に襲われて逃げ出し、そうするとオーヴを一人占めにしようとしたということで仲間のヨンドゥから賞金がかかり、惑星ザンダーにたどり着くとロナンが送り込んだ暗殺者ガモーラに襲われ、賞金目当てのあらいぐまのロケットとその相棒のグルートにも襲われ、どたばたとしているうちに惑星ザンダーの治安を守るノバ軍によってまとめて逮捕されて刑務所に送られるので、とにかく刑務所から抜け出してオーヴを売り飛ばして山分けしようということでガモーラ、ロケット、グルートを仲間に加え、家族をロナンに殺されたドラックスも仲間に加え、どたばたの末に刑務所からの脱出を果たして銀河の半分を横切って買い手のところへ出かけていくとそこへロナンの軍勢が襲いかかり、オーヴの正体を知ったピーター・クイルはロナンのたくらみを阻止するために立ち上がる。 
監督は『スリザー』、『スーパー!』のジェームズ・ガンで、ここでもある種の異才を発揮して雑念をともなう間抜けさをしっかりと織り込んでいる。あくまでも『マーベル』の系譜のなかにあって、そのせいで悪の根源と言えばサノスという構図が踏襲されていて、そこに微妙なものどかしさを感じないでもないものの、それはいずれ『アベンジャーズ』で解決されるものと考えて脇に置いて、もっぱらその手前の部分に注目していくとキャラクターはとにかく豊かだし、ダイアログは気が利いているし、アクションもクリアだし、余計な手間はかけないし、泣き所もちゃんと盛り込んでいるし、あらいぐまはちゃんとあらいぐまだし、ヴィン・ディーゼルは『アイアン・ジャイアント』以来のことをしているし(たぶん)、ハワード・ザ・ダックも顔を出すし、ということでたいそう充足感の高い作品に仕上がっている。満足しました。

Tetsuya Sato