2016年12月18日日曜日

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
Rogue One
2016年 アメリカ 134分
監督:ギャレス・エドワーズ

帝国の手から逃れて家族とともに隠棲していたゲイリン・アーソは帝国の手先クレニックによって連れ去られ、幼い娘ジン・アーソは反乱勢力を率いるソウ・ゲレラが預かるが、15年後、帝国の刑務所で強制労働をするジン・アーソを共和国勢力が救い出して例のごとき基地へ運び、そこでジン・アーソの父親ゲイリン・アーソが帝国の最終兵器の開発に関わり、そのゲイリン・アーソに教唆された帝国の貨物船の操縦士が帝国の手から逃れてソウ・ゲレラの手中にあると明かされ、ジン・アーソは解放を条件にいわゆる反乱軍の中でも分派に属するソウ・ゲレラに接触してゲイリン・アーソの情報を得る任務を押しつけられ、反乱軍大尉キャシアン・アンドー、ドロイドのK2とともにソウ・ゲレラがいる惑星へ飛ぶとソウ・ゲレラに会って数年来の恨みを叫び、父親が操縦士に託したホログラフを見ていると惑星上空に完成から間もないデススターが現われて都市を破壊、脱出したジン・アーソは父親がいる惑星へ飛び、そこでいわゆる反乱軍勢力のたくらみを知って反発するが、デススターの前で委縮する共和国勢力の前で反撃を提案、志願者とともにデススターの設計図が保管されている惑星へ飛ぶ。 
序盤、あっちの惑星、こっちの惑星と説明的に(そして悪い意味でジョージ・ルーカス的に)状況が飛び、前半をかけてローグ・ワンのメンバーを構成していく過程がだるいと言えば少々だるいが、後半、惑星スカリフの戦闘が始まるとその「戦争映画」ぶりが相当なもので、むごたらしさを眺めているとヒロインも含めてどことなく無名性を帯びていることにも納得がいく。ギャレス・エドワーズが『スターウォーズ』を叩き台に自分の映画を作ったことに間違いはないし、そこに織り込まれた明確な暴力性はダースベイダーをありがちな悪役からある種の恐怖へと昇華させている。おそらくすでに『スターウォーズ』ではなくなっているが、ある意味、シリーズ最高作である可能性もなくはない、という気がした。ピーター・カッシングの登場にはちょっとびっくり。あと、いつものことながら帝国側はもう少し防空に気を使ったほうがいいと思う。 
Tetsuya Sato