2016年9月10日土曜日

スーサイド・スクワッド

スーサイド・スクワッド
Suicide Squad
2016年 アメリカ 123分
監督:デヴィッド・エアー

スーパーマンが不在となった世界で次に現われるスーパーマンが良心的であるという保証はない、ということから、極悪人で構成した特殊部隊を編成して現われるかどうか保証のない邪悪なスーパーマンに対処する、ということで極悪人専門の刑務所から極悪人を招集して首に遠隔操作の爆弾を仕掛けて服従を強要し、部隊の指揮官に任命されたフラッグ大佐にも脅しをかけ、フラッグ大佐の恋人ムーン博士に憑依した魔女エンチャントレスにも脅しをかけ、そうするとエンチャントレスは危険を顧みずに自分の弟を蘇らせて世界を危機に陥れるのでフラッグ大佐以下の特殊部隊が出動する。 
面倒な前日譚部分も含めて話を盛り込みながら破綻をまぬかれているというところでデヴィッド・エアーはいちおう健闘しているが、それはそれとしても盛り込みすぎているし、キャラクターは最初から飽和しているし、というありさまなので、破綻ぎりぎりのところでどうにか説明だけして終わっているという感はまぬかれない。エンチャントレスの軍団はなかなかに不気味なものの、急いでいるからあっさりと片付けられているし、人類抹殺のための装置がまたあの感じ、というのも面白味に乏しい。ウィル・スミスはなんというのか、いつもと同じ。ヴィオラ・デイヴィスのアマンダ・ウォーラーにはもう一味ほしかった。ハーレイ・クインを演じたマーゴット・ロビーは悪くないし、ハーレイ・クインとジョーカーの妙に直球な恋愛関係はなにやらほほえましい。 
Tetsuya Sato