2016年8月14日日曜日

ペット

ペット
The Secret Life of Pets
2016年 日本/アメリカ 87分
監督:クリス・ルノー

優しい飼い主のケイティとニューヨークで暮らす小型犬のマックスは自分の生活にたいそう満足していたが、ある日ケイティが大型犬デュークを保健所から引き取ってきてマックスに引き合わせるのでマックスはデュークに激しく反発、デュークもまたマックスの父祖伝来の権利を侵すので両者は激しく対立し、いったんはマックスがアルファの座を占めるものの、散歩中にデュークが反撃、その結果二匹とも迷子になって野良猫に襲われて首輪を奪われ、動物管理局につかまって護送されるところをウサギのスノーボールが率いるテロ集団に救われ、そのまま状況に流されてスノーボールの一味に加わろうとするものの、ペットの正体を暴かれて追われることになり、そうしているあいだにマックスの向かいの家で暮らすポメラニアンのギジェットが近隣のペットを集めてマックスの捜索に取りかかる。 
『ミニオンズ』と同様に、ということになるわけだけど、わかりきったストーリーがわずらわしい。美術はきちんと仕込まれているし、一つひとつのアクションもよく考慮されているし、ウィンナーソーセージの食べ過ぎで添加物でトリップするシーンはたしかに楽しいものの、堕落した観客であるこちらは堕落したペットの私生活が見たかっただけで、騒々しい友情や冒険には残念ながら興味がない。そしてその範囲では予告編以上の内容はなかった、ということになる。鑑賞中、どうしても腑に落ちない気分になってくるのは、おそらくペットのペット的要素と擬人化された動物的要素が混在し、消化されていないせいであろう。勝手な要望を言わせてもらえば、擬人化と動物寓意ということならばすでに『ズートピア』という最高峰が存在するわけだから、その逆に走ってほしかった。 

Tetsuya Sato