2016年5月3日火曜日

グリーン・インフェルノ

グリーン・インフェルノ
The Green Inferno
2013年 アメリカ/チリ/カナダ 101分
監督:イーライ・ロス

考えずに行動することをモットーとするアメリカの学生グループがペルーの先住民族が開発の犠牲になろうとしていると聞いて行動に移り、ペルーのジャングルまで出かけて工事現場に潜入すると自分のからだをブルドーザーや木に縛りつけて抗議活動を開始し、その様子をインターネットに流すので開発企業は工事を中止、学生グループは勝利を喜びながら帰途につくが、ジャングルを越えるために乗り込んだ飛行機のエンジンが壊れて飛行機はジャングルに不時着、そこへ開発の犠牲になるはずだった先住民の一団が現われて生存者を村へ運んで檻に入れ、まず一人を解体して丁寧に下ごしらえをしてから蒸し焼きにして村中でおいしくいただき始めるので、檻の中からその一部始終を目撃した学生グループのメンバーは激しく脅えることになる。 
いわゆる『食人族』ものとしては史上最大の大作ということなるだろう。往年のイタリア製に比べるとモダンな切り口が採用されていて、内容は『サウスパーク』シーズン3エピソード1とほぼ同じ。序盤でアメリカからペルーに移動し、さらにペルー国内をジャングルに向けて移動していく場面は陽気でエキゾチックで、食人族が住む村の様子もエキゾチックで美しくて、そういうあたりから妙に手間のかかった食人から蟻責め、女性割礼まで登場する無遠慮ぶりまで、いかにもイーライ・ロスらしい映画になっている。微妙な収まりの悪さもやはりイーライ・ロスの映画だという気がするが、状況は全般にカラフルだし、ヒロインはチャーミングだし(奥さんだって?)、KNB EFXグループは力の入った仕事をしているし、ということで悪くない。 



Tetsuya Sato