2016年4月30日土曜日

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
Captain America: Civil War
2014年 アメリカ 136分
監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ

『アベンジャーズ』のあれや『エイジ・オブ・ウルトロン』のあれや、本編冒頭のこれなどが引き合いに出されてアベンジャーズはいかにもヒーローではあるものの、人類に損害を与える危険な存在であるということになり、というわけで国連の委員会の監視下に置こうという話になり、国務長官はアベンジャーズにこの協定を受け入れることを命令するが、トニー・スタークが協定受け入れに傾く一方でキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースは疑問を抱き、協定を推進する会議がテロに襲われて主犯としてバッキー・バーンズが名指しされ、収監されたバッキー・バーンズが意に反して脱走するとキャプテン・アメリカは旧友バッキー・バーンズを助けて逃亡、ファルコンとともに一連の事件に隠された陰謀を追い、この逃亡を重視した国務長官はキャプテン・アメリカほかを指名手配するのでトニー・スタークはナターシャ・ロマノフとともにバッキー・バーンズの身柄確保に動き、ホークアイ、アントマン、スカーレット・ウィッチを仲間に加えたキャプテン・アメリカ一行に対抗してスパイダーマンを味方に加え、さらにブラックパンサーの参加も得てベルリンの空港でキャプテン・アメリカ一行に対決を挑む。 
エイリアンもハイドラもいないのに空港はほぼ破壊されるのでアベンジャーズは人類に損害を与えていると思うが、この戦いの微妙な馴れ合いを加えた壮絶ぶりは相当なもので、カメオ的に登場するアントマン、スパイダーマンがなにやら陽気な色を放って素朴に楽しい。また空港のシーンに限らずアクションシーンがよく吟味され、複雑なスタントにはしばしば目を奪われる。プロットを構成する一連の状況は空港のシーンにつなげるための言い訳以上のものではないような気もするものの(だから少々弛緩気味ではあるものの)ひたすら集結を目指すという点で迷いがないので『エイジ・オブ・ウルトロン』のような拡散は回避されている。というわけで悪くないと思う。 

Tetsuya Sato