2016年3月21日月曜日

トポス(135) ギュンは限界を乗り越える。

(135)
 ギュンは研究所に戻って自分の限界に挑んでいた。エイリアン・テクノロジーも中世の狂気の魔道書も無限の力を約束してはくれなかった。邪悪な黒い力が与えたパワーはギュンの闘志を起こしたが、膨れ上がった闘志はパワーを瞬時に食い尽くした。効率が悪い、とギュンは感じていた。どこかに問題があるはずだ、とギュンは考えていた。解決策を求めて苦悩するギュンの心に、彼方から送られた声が届いた。
「大将軍ギュンよ。わたしは邪悪な黒い力だ。テクノロジーに頼るな。邪悪な力に身を委ねるのだ」
 ギュンの前に仮面をつけた巨人が現われた。デュワっと叫んで、ギュンに向かって襲いかかった。ギュンはスーパーグラスをかけて変身した。襲いかかる巨人を手刀で打ち据え、蹴り飛ばしたところでデュワっと叫んで指の先から光線を放った。巨人のからだが粉砕され、吹っ飛んだ仮面の下からギュンの顔が現われた。ギュンは自分自身を見下ろしていた。
「わたしは理解した」とギュンはいつも話していた。「問題はわたし自身にあったのだ。わたしは常に冷静に思考し、観察する。わたしが倒したのはわたし自身のエゴだった。仮面の下から自分の顔が現われたとき、わたしは驚きもしたが、同時に自分が解放されたことを理解した。自分自身から解放され、わたしは邪悪な黒い力と一つになった」
 悟りを得るのと同時に、ギュンは黒い力の強い乱れを感じ取った。
「大将軍ギュンよ」邪悪な黒い力がギュンの心に話しかけた。「未来を見るのだ。力の乱れは未来から送られている。大宇宙の偉大な力が我らを滅ぼした未来からだ。行け、ギュンよ。もはや一刻の猶予もない。大宇宙の偉大な力が惑星壊滅爆弾を放ったのだ」
 ギュンは空へ向かって両手を差し出し、デュワっと叫んで飛び上がった。

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