2016年2月7日日曜日

オデッセイ

オデッセイ
The Martian
2015年 アメリカ/イギリス 142分
監督:リドリー・スコット

火星有人探査計画アレス3の6人のクルーが火星で探査活動をしていると予報をうわまわる規模の嵐が発生して指揮官メリッサ・ルイスは軌道上の宇宙船ヘルメスへの退避を命令、ただちに撤収作業が開始されるが、MAVへと移動する途中で植物学者マーク・ワトニーが通信アンテナの倒壊に巻き込まれて吹き飛ばされ、センサーはマーク・ワトニーの宇宙服が損傷したことを示し、それでもメリッサ・ルイスはマーク・ワトニーを探し出そうとするものの、MAVにも転倒の恐れが出たことから残った5人で火星から脱出、ヘルメスに乗り込んで地球への帰途に着き、一方、生き残ったマーク・ワトニーは砂から這い出して探査用の施設に戻り、次の有人探査船が火星を訪れる4年後まで生き延びるために植物学者としての知識を生かして排泄物で土壌を改善して植物を育て、マーズ・パスファインダーを発掘して地球に連絡を取り、すでに衛星からの観察でマーク・ワトニーの生存を知っていたNASAは救援のための活動を開始する。 
マーク・ワトニーがマット・デイモン、メリッサ・ルイスがジェシカ・チャステイン、アレス3のクルーがほかにマイケル・ペーニャやケイト・マーラ、NASAがショーン・ビーン、キウェテル・イジョフォーなど。状況と状況への対処があるだけで、全体として陽性で前向きという特徴はあるものの、悪い意味でのプロットはない。そしておそらくそこが幸いしてリドリー・スコットは状況全般と個別の状況をうまい具合に視覚化している。視覚的な素材に人間をぶら下げるのはうまいが、視覚的な素材がないところに人間だけを放り込むと、この監督はたぶんその途端に関心を失う(中国市場を意識したシーンのことさらな退屈さがそれを証明していると思う)。マット・デイモンは好演を残し、ほかの俳優陣もみないい感じの仕事ぶりで、視覚的にもよくこなれているということであれば、こちらにはまったく文句はない。ただ、ヘルメスの爆弾はよくわからない。あくまでも素人の感想だが、気圧を上げてハッチを開ければ済むような気がするし、あの減速をする前には回転部を停止したほうが安全ではなかったか、という気もする。 


Tetsuya Sato