2015年5月7日木曜日

Plan-B/ 白軍

S5-E09
白軍
 純白の地に金糸の刺繍が入った制服は沼の泥で汚れていた。少年たちは待機していた。旧式の、銃身がやけに長いライフルを抱いて、空腹と渇きに耐えて待機していた。弾は一人に五発しかなかった。遠くで馬が嘶く声がする。砲声がする。年老いた大尉がサーベルを抜いた。突撃、と叫んで走り始めた。少年たちも走り始めた。重たいライフルを前に掲げて、大尉を追って走り始めた。少年たちが叫んでいる。機銃が火を噴いて草を刈り、少年たちをなぎ倒した。草の陰に転がって、あまりの苦しさにうろたえながら、一人また一人と息絶えていった。

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