2014年9月20日土曜日

セッションズ

セッションズ
The Sessions
2012年 アメリカ 95分
監督:ベン・リューイン

六歳のときにポリオにかかって首から下が麻痺したマーク・オブライエンは優秀な成績で大学を卒業したあと詩人兼ジャーナリストとして活動していて障害者のセックスに関する記事の執筆依頼を受けてセックスをしている障害者にインタビューをしてみたところ、どうやら異次元の世界が存在するらしいと気がついて自らも障害者向けのセックス・カウンセリングを受け、カウンセラーからセックス代理人の存在を知ったマーク・オブライエンは不安を抱えながらも挑戦を決意してセックス代理人のシェリルと対面する。 
実話の映画化ということになるらしい。よくバランスが取れたやさしいタッチの映画で、扱っていることは性愛でもそれが生存状態における根源的な感触に還元されていくところが美しい。ほとんどの時間を鉄の肺のなかで過ごして数時間しか外出できないけれどストレッチャーに乗ってどんどん出かけていくマーク・オブライエンがジョン・ホークス(『パーフェクト・ストーム』で非モテ男バグジーをやっていたひとだった)、シェリルがヘレン・ハント、マーク・オブライエンからやっかいな相談を受け(それは婚外交渉では?)、相手が横たわったままなので祭壇の前であからさまな告白まで聞かされる神父がウィリアム・H・メイシー。ジョン・ホークスが魅力的で、主人公を取り巻く女性たちも実にいい感じに描かれている。 


Tetsuya Sato