2014年9月19日金曜日

変態小説家

変態小説家
A Fantastic Fear of Everything
2012年 イギリス 100分
監督:クリスピアン・ミルズ、クリス・ホープウェル

童話作家で『ハリネズミのハロルド』などの作品を発表しているジャックは離婚を契機に妙なところにはまり込んでビクトリア朝時代の連続殺人に関する研究を始め、部屋の壁にべたべたと関連資料を貼りつけた末に『死の時代』と題した脚本の企画を練っていると、いつの間にか殺人鬼の影を身辺に感じるようになって部屋に閉じこもって下着姿でナイフを握って恐怖におびえ、その異様な有様に近所の子供たちも恐怖を感じているとエージェントから『死の時代』に興味を示している脚本エージェントがいるという連絡があり、まともな格好をして出てこいという指示があるので汚れ物の山をひっくり返しているうちに惨事が起こってコインランドリーに行かなければならなくなり、実はこのコインランドリーにこそジャックの恐怖の原点があったので、精神分析医に電話で相談して励まされて勇を鼓して出かけていくとそこでも恐ろしいことになる。 
製作、主演がサイモン・ペッグで、サイモン・ペッグ独演会で、とにかくいろいろとやってくれる。だからサイモン・ペッグを鑑賞する映画としては十分に面白いし、コラージュ的な画面のつなぎにも工夫が見えるし、劇中に挿入される童話やアニメーションなども悪くはないが、映画としては整理が悪いし、なんでもかんでも詰め込んだせいか、主人公のキャラクターも決して整理されていない。それにしても『変態小説家』というひどい邦題はなんとかしてほしいと思う。 


Tetsuya Sato