2014年7月19日土曜日

マンボーグ

マンボーグ
Manborg
2011年 カナダ 64分 ビデオ
監督:スティーヴン・コスタンスキ

ドラキュロン伯爵が率いる地獄の軍団との戦争が始まって人類は敗北、ドラキュロン伯爵に殺された兵士はスコーピアス博士の手でマンボーグとして数年後によみがえり、外へ出ると自分の姿が変わっている、町の様子も変わっている、ということでうろたえていると地獄の軍団につかまってアリーナへ送られ、そこでほかの人間の捕虜とともに地獄のバイカーと戦うことになり、そうするとほかの人間というのが異常に強くて相手を素手で殺すわ、ナイフで殺すわ、どこからかピストルを取り出して撃ち殺すわ、ということを始め、マンボーグも腕から機銃を出して敵を殺し、そうして生き延びると監房へ戻され、ドラキュロン伯爵の子分をしている男爵は捕虜の娘に恋心を抱き、地獄の軍団の手先となったスコーピアス博士はマンボーグに使命を与え、マンボーグの手引きで脱走に成功した捕虜一行は隠れ家に身をひそめたあと、マンボーグとともに地獄の軍団に殴り込む。 
噂によると製作費が8万円、ビデオ撮りで音声もアフレコ(たぶん)。視覚的にはかなり薄いが、その薄いところを逆手にとって、ほとんど書き割りのような世界を作り、アクションシーンではアニメーションで人間をはめこみ、モデルアニメーションやクレイアニメーションも投入し、最後にCGで加工している。
仕上がりはおおむね野暮ったいものの、ところどころに気の利いた台詞が見え、全体としてやる気が感じられるのが救いになっている。ビデオは「日本劇場公開特別版」仕様で、本編のほかに3つのフェイク予告編(ギャングに焼き殺された男が地獄の放火魔になって戻ってくる"Fireman"、アインシュタインの凶悪な幽霊が究極のレーザー兵器を狙う"Laser Cove 2"、化学工場の事故で溶解人間と化した警官が自分の運命を呪って自殺願望にとりつかれながら悪と戦う"Bio-Cop")とファンタジーホラー系の人形アニメーション1本が収録されている。本編も含めて眺めると"Bio-Cop"がたぶんいちばん面白い。


Tetsuya Sato