2014年6月7日土曜日

X-MEN: フューチャー&パスト

X-MEN: フューチャー&パスト
X-Men: Days of Future Past
2014年 アメリカ 132分
監督:ブライアン・シンガー

ミュータントと人類の戦争が始まってミュータントは破滅の縁に追いやられるので、プロフェッサーXとマグニートーは1973年にミスティークが引き起こした事件が戦争の原因になっていると考えて時空を越える苦痛に耐えられる唯一のミュータント、ウルヴァリンを1973年に送り込み、ウルヴァリンは送られた先で失意のどん底に落ちて薬物中毒で超能力を失ったプロフェッサーXと出会い、この腰の重いプロフェッサーXを口説いてペンタゴンの地下からマグニート―を救出するとミスティークが事件を起こすパリへ飛び、パリ協定の締結でごった返すパリで騒動を起こしてミュータントの正体を衆人にさらし、ミュータントの撲滅をたくらむトラスクに扇動されたニクソンはトラスクが開発した対ミュータント兵器センチネルのデモンストレーションをホワイトハウスの前で堂々とおこない、個人的な感情からトラスクを狙うミスティークがそこにも現われるので、ウルヴァリン、薬物を断って心を入れ替えたプロフェッサーX、暴走するマグニート―がミスティークを追う。 
『スタートレック』もちゃんと引用しながらタイムトラベルを実行し、そこから一気に歴史改変へと飛ばすダイナミックな展開には驚きながらもいつの間にか喜んでいた。改変のしかたも『ウォッチメン』を健全なところへひっくり返したような感じがあって好ましい。時間を無駄に使わないでてきぱきと話を進める構成もいいし、時空間のあやつり方には自信が見える。ミスティークの周囲の意外なところから多声性を引っ張り出して、それをさまざまな顔に接続する手法には素朴に感心したし、ファムケ・ヤンセンの登場にはうっかり感動した。ワシントンDC、パリ、ベトナムの70年代描写もよくできている。ということで、ブライアン・シンガーの手腕を見直した。 
Tetsuya Sato