2014年5月8日木曜日

OSS 117 私を愛したカフェオーレ

OSS 117 私を愛したカフェオーレ 
OSS 117: Le Caire nid d'espions
2006年 フランス 99分
監督:ミシェル・アザナヴィシウス

60年代のフランス製スパイ映画のコメディ版リメイク(とは言ってもオリジナルは見たことがない)。
1955年、フランス政府の諜報員で神経に障る笑い方をするOSS177は同僚ジャックの消息を追ってエジプトを訪れ、ジャックが経営していた養鶏場を引き継ぐとカイロ周辺の畜産業者と挨拶を交わし、格言問答で緊張し、女性を蔑視し、ムスリムを蔑視し、しばしば自己満足に浸り、カフェでは過激な原理主義者の罠にはまり、サウナではソ連のスパイを殺害し、ピラミッドの底では第三帝国の悪夢と再会し、ホテルのバーでは歌声を披露して喝采を浴び、見事に事件を解決する。
「まるで牛のように番号を与えられている」この主人公は一説によれば典型的なフランス人で、つまり無能な上に無知で鈍感で根拠のない植民地主義に首までつかっていて、それが穴にはまり込んだ下等動物のように同じことをしつこく繰り返すので、それを笑い者にする、といういかにもフランス的なコメディである。面白いことは面白いけど、ちょっと疲れる。


Tetsuya Sato