2014年4月30日水曜日

テネイシャスD 運命のピックをさがせ!

テネイシャスD 運命のピックをさがせ!
Tenacious D in The Pick of Destiny
2006年 アメリカ/ドイツ 93分
監督:リアム・リンチ

やたらと敬虔な家に生まれたロック大好き少年JBが父親からロックを禁じられたので家を飛び出してハリウッドを訪れ、そこでギタリストKGと知り合って家賃を払うためにバンドを組み、コンテストでの入賞を目指して名曲を生み出そうと頑張るが、頑張っているうちに伝説的なバンドがことごとく同じピックを使っていることに気づき、それが悪魔の歯から作られた運命のピックだということを知り、つまりそれがあれば自分たちもまた伝説のバンドの一員となることを知り、たちまちのうちに安易な道へ走って博物館へ盗みに入り、見事手に入れるものの、歯が欠けたままの悪魔がピックを取り戻しに現われるので、悪魔とロック対決をする。
冒頭、少年時代のジャック・ブラックを演じる子役のそっくりぶりがまずすごい。で、その子がおぞましい歌詞の歌を歌い、ロックは悪魔の音楽だと言って子の尻を叩く父親がミート・ローフだったりするのである。そして家出した子供が全米各地のハリウッドをめぐって最後にカリフォルニアのハリウッドにたどり着くともう本物のジャック・ブラックに成長していて、自分で歌っている歌に自分でエコーをかけている。器用なひとだなあ、と思う。それから街頭のギタリストと出会って壮絶な掛け合いになり、ここまでのテンションはかなりすごい。そこから先は適当にロック・ミュージカルのようなことをしながら、上記のごとき展開となり、いささか下品なのには少々閉口したものの、本筋にこだわらない(というよりも気にしていない)ふらふらとした語り口は好みであった。 


Tetsuya Sato