2014年4月3日木曜日

ラッキーナンバー7

ラッキーナンバー7
Lucky Number Slevin
2006年  ドイツ/アメリカ 111分
監督:ポール・マクギガン

仕事を首になり、アパートから追い出され、恋人には裏切られた男スレヴンは友人を頼ってニューヨークまでやってくるが、到着早々、強盗にあって財布を奪われ、頼みの友人は家にいない。それでもドアが開いていたのでなかに入り、シャワーを浴びて腰巻タオルの状態でいると謎の黒人二人組が現われて人違いのまま腰巻タオルの姿で拉致される。そして「ボス」と面会を果たし、友人がこしらえた借金の返済を求められ、それを棒引きにする替わりに殺人の仕事が与えられ、回答の猶予も与えられるので部屋に戻り、そこで着替えを終えると今後はユダヤ人の二人組に拉致される。
拉致されるのがジョシュ・ハートネット、向かいの部屋に住んでいるのがルーシー・リュー、「ボス」がモーガン・フリーマン、それに対抗している「ラビ」がベン・キングズレー、影のように動く謎の殺し屋がブルース・ウィリス。
ジョシュ・ハートネットとルーシー・リューがなかなかに魅力的であった。ブルース・ウィリスはもう少し作りようがあったような気がするが、悪くない。モーガン・フリーマンとベン・キングズレーはそれぞれに薀蓄の多い悪役を演じて楽しんでいたように思うが、欲を言えばもう少し迫力がほしかった。
映画自体について言えば、それなりに面白いし、構成にはいちおうの創意が感じられるものの、前半のとぼけた調子と後半のまじな雰囲気は相性が悪い。内装などの美術は総じて優れていたように思うが、演出はその成果を生かしていない。こういう映画は難しい、というよりも、こういう映画を作るには手つきが少々泥臭い。 


Tetsuya Sato