2014年4月17日木曜日

フレンチ・カンカン

フレンチ・カンカン
French Cancan
1954年 フランス 102分
監督:ジャン・ルノワール

ショービジネスを生業とする男ダングラールは町のダンスホールで見かけた若い洗濯女ニニに踊り子としての才能を認め、またその踊りに触発されて新たなクラブを思い描く。そしてムーラン・ルージュの建設に取りかかるが、女優のローラはダングラールとニニの関係に疑いを抱き、ニニの恋人であるパン屋のパウロもまたダングラールとニニの関係に疑いを抱き、外国の王子アレクサンドル殿下はニニに恋心を抱き、あれやこれやの結果ダングラールは破産状態に陥り、ムーラン・ルージュの建設はいったんは立ち往生するものの最後はすべてが収まるべきところに収まるのである。
色彩が豊かで、登場人物は福々しく、絵はどこまでもふくよかで、しかもあちらにセザンヌ、こちらにロートレックという具合に名画の構図がだまし絵のようにはめ込まれ、見ているうちに多幸症的な気分になってくる。そしてクライマックス、フレンチ・カンカンの狂騒は圧倒的。

Tetsuya Sato