2014年3月11日火曜日

レッド・ドーン

レッド・ドーン
Red Dawn
2012年 アメリカ 96分
監督:ダン・ブラッドリー

ロシア軍の協力を得た北朝鮮の軍隊がなにやら新兵器を使ってアメリカの国防網を壊滅させてアメリカを占領してしまうので高校生が武器を取って抵抗を始める。 
つまりジョン・ミリアスの『若き勇者たち』のリメイクで、オリジナルの84年当時ですらロシアとキューバの連合軍がアメリカ北西部の田舎町をなぜか占領するという無理矢理な設定がナンセンスに感じられたものだが、どうせナンセンスなら、ということで居直ったのか、消去法で北朝鮮くらいしか思いつかなかったからなのか、自称北朝鮮の軍隊が今回はシアトルとその近郊を占領するわけだけど、装備類がむやみと近代的で、小火器がAKというくらいで車両はアメリカ軍そのまんま(一瞬、北朝鮮のマークをつけたピラーニャが登場する)、兵士たちは栄養状態がとてもよくて(失礼だが)あちらの国のみなさんにはあまり見えない、という様子なので要するに言い訳以上のものではなくて、それらしく見せようという努力もたぶんしていない。それでもオリジナルよりいくらかましに見えるのはあちらが山岳戦だったのに対してこちらが都市ゲリラでバリエーションが豊富なこと、十代向け映画というフレームがはっきりしていて、その範囲ではちゃんとまとまっていること、などの理由があるからであろう。 


Tetsuya Sato