2013年12月23日月曜日

レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース

レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース
Rare Exports
2010年 フィンランド/ノルウェイ/フランス/スウェーデン 80分
監督:ヤルマリ・ヘランダー

フィンランド北部の田舎町のすぐそばに小高くそびえる山があり、その山頂でなにやらあやしい企業が採掘作業を進める一方、町のほうでは母親を亡くして父と二人暮らしの少年ピエタリがサンタクロースの恐ろしい正体を調べ、クリスマスがやってくると町では怪事件が起こってラジエーターやドライヤー、袋が消え、子供たちが姿を消し、ピエタリの父親がしかけたオオカミ獲りの罠には怪しい老人がかかり、しかもしぶとくまだ生きている、ということで、持っていたパスポートから老人がアメリカ人で、山頂で作業をしていた一味であると考えた父親は仲間を呼んでこの老人をいきなり人質に取り、身代金を稼いでオオカミの被害を補填しようとたくらむが、ピエタリはこの老人の正体を見破り、かつてサーミ人が氷中に封印したサンタクロースがついに復活したことを知り、ピエタリの話を信じた父親たちはアメリカ企業にこのサンタクロースを売り飛ばしてオオカミの被害を補填しようとたくらむが、実はこのサンタクロースはサンタクロースではなくてサンタクロースの妖精であり、巨大なサンタクロースはまだ復活の途上にあることがわかり、サンタクロースの妖精に包囲された人々はピエタリの作戦にしたがってサンタクロースを退治すると、妖精たちを囲いに入れて輸出する。
サンタクロースやサンタクロースの妖精もなかなかに不気味な仕上がりだが、何が恐ろしいと言って、とにかくどのような状況にもふてぶてしく立ち向かう田舎のお父さんたちが恐ろしい。全員が武装しているし、妙に手際がいいのである。細部にわたるまでていねいに作り込まれた空間と丹念な演出に好感を持った。勇敢で有能だけど、いつもぬいぐるみを抱えている少年ピエタリがかわいらしい。 



Tetsuya Sato