2013年11月2日土曜日

野蛮なやつら/SAVAGES

野蛮なやつら/SAVAGES
Savages
2012年 アメリカ 131分
監督:オリバー・ストーン

カリフォルニアのラグナビーチで暮らすオフィーリアには恋人が二人いて、そのうちのひとりのチョンは元兵士でイラク戦争に従軍した経験があり、もう一人のベンはスタンフォードで経営学と植物学を修めていて、ある日ベンが最高の種はどこにあるのかとチョンにたずねて、それはもちろんアフガニスタンだと答えたチョンはアフガニスタンから最高の種を持ち帰り、ベンはそれを育てて品種改良を繰り返すことで最高の葉っぱを生み出すことに成功して医療系の大麻市場を中心に大きなシェアを獲得するが、その二人のところにメキシコのバハ・カルテルから事業の共同化の申し入れがあり、共同化するくらいなら事業を譲渡すると二人が宣言すると、ノウハウを失うことを嫌ったバハ・カルテルはオフィーリアを誘拐して二人を脅すので、オフィーリアを愛する二人は手段を選ばずに反撃に出る。好き勝手に動いてビジネスを理解しないアメリカ人をメキシコ人が野蛮人と呼び、ビジネスのためには手段を択ばないメキシコ人をアメリカ人が野蛮人と呼び、そこまではいいけれど。そのアメリカ人はハッピーエンドを迎えたあとに高貴な野蛮人への道を選択する、というのはちょっとどうかという気がする。
チョンがテイラー・キッチュ、ベンがアーロン・テイラー・ジョンソン、オフィーリアがブレイク・ライヴリー、バハ・カルテルのボスがサルマ・ハエック、サルマ・ハエックの子分がベニチオ・デル・トロ、汚れまくっているけれど最後に心を入れ替える麻薬捜査官がジョン・トラボルタ。サルマ・ハエックの老け役にも驚いたが、ベニチオ・デル・トロがたぶんいちばんのもうけ役であろう。スリムな脚本はよく考慮されているし、ダイアログもなかなかに気が利いていて、オリバー・ストーンの演出もけっこうリズムがいい、ということでこれは悪くないと思う。
ちなみにこの映画、『GTA V』と並べると見たような風景、見たような場面満載、ということになり、別の意味でも面白い。


Tetsuya Sato