2013年11月6日水曜日

ヒッチコック

ヒッチコック
Hitchcock
2012年 アメリカ 98分
監督:サーシャ・ガヴァシ

『北北西に進路を取れ』の公開のあと、ヒッチコックは新作のネタを探し求めてロバート・ブロックの『サイコ』に出会い、パラマウントが出資を渋るので自前で予算を組んで製作に取りかかるが、それまでヒッチコックを影で支えてきた妻アルマ・レヴィルはヒッチコックを支えることを拒んで脚本家のウィットフィールド・クックと組んで仕事を進め、ヒッチコックは妻とウィットフィールド・クックとの関係を疑い、スタジオには苛立ちを抱き、ジャネット・リーにはある種の感情を抱き、ヴェラ・マイルズには裏切られたような思いを抱き、怒りを抱えた内心はエド・ゲインに接続する。 
ヒッチコックがいろいろと特殊メイクをしたアンソニー・ホプキンス、アルマ・レヴィルがヘレン・ミレン、ジャネット・リーがスカーレット・ヨハンソン。ヒッチコックの内面に踏み込んでエド・ゲインに接続する手法は好みの問題だとしても、『サイコ』の映画製作にかかわるプロセスは省略され過ぎであろう。素材に対してこの取り組みは凡庸すぎる。 


Tetsuya Sato