2013年11月27日水曜日

グッド・バッド・ウィアード

グッド・バッド・ウィアード
Joheunnom nabbeunnom isanghannom
2008年 韓国 129分
監督:キム・ジウン

ユン・テグは列車を襲ったときに宝の地図を手に入れるが、その地図狙って悪党のボス、パク・チャンイがユン・テグを追い、賞金稼ぎのパク・ドウォンがパク・チャンイを追い、さらに地図を狙って馬賊の一味、日本軍も現われる。
1930年代の満州を舞台に西部劇という思いつきは非常によいものの、プロットは雑念が多くて締りがないし、キャラクターはまともな自我を備えていないので、対立関係も動機づけも最後の最後まで明確な形を得ることがない。これでは『続・夕陽のガンマン』からタイトルを引用する意味がない。撃ち合いになるとただもう撃ち合いをしているだけで、状況に対するひねりがないし、それをまた手持ちカメラで撮影するからフレームが妙に小さくなって構図がますます散漫になる。ところどころに凝ったショットが見つかるし、かなり大胆なスタントなどもしているので、もう少しアイデアを出してから腰を据えて画面を作ることはできなかったのか。クライマックスの延々と続く追撃戦は見ごたえがあり、もしかしたらここで体力を使いきってしまったのではあるまいか。いいところもあるけれど、悪いところが悪目立ちする。


Tetsuya Sato