2013年11月23日土曜日

アフター・アース

アフター・アース
After Earth
2013年 アメリカ 98分
監督:M・ナイト・シャマラン

人類が荒廃した地球を捨てて新たな惑星に植民すると、そこには先住民がいて人間の恐怖を嗅ぎ取る目のない化け物をけしかけてくるので、レンジャー部隊の隊員のひとりが恐怖心を捨てて立ち向かい、英雄となったこの隊員はレンジャーの将軍になり、その息子もまたレンジャーを目指すが試験に落ちて候補生にとどまり、ふてくされる息子との関係を気にかけた将軍は息子を自分が指揮する訓練プログラムに招くことにして問題の化け物を搭載した宇宙船に乗って出発するが、宇宙船は途中で小惑星嵐に遭遇して遭難、嵐を避けるためにワープした先で惑星に不時着すると生き残ったのは将軍と息子の二人だけで、しかもそこは人類に敵対する生物で満たされた地球で、船は真っ二つに割れていて緊急信号を送るためには割れたもう一方の船体を探して百キロの旅をしなければならないということになるが、将軍は足を骨折しているので息子を送り出し、言うことをろくすっぽ聞かない上にやたらとめそめそする息子を遠くから叱咤していると通信も途切れ、宇宙船に積み込んでいた化け物が息子に襲いかかる。 
プロダクションデザインには見るべきところがあるし、撮影も美しい。しかし編集はまとまりが悪く、いくつかのショットは凝ったつもりなのかもしれないが、どちらかと言えばわずらわしい。演出は張りに乏しく、主人公のキャラクターはおそらく単純すぎてジェイデン・スミスを生かしていない。ところでまったく飛び道具がない、というのはなにか理由があるにしても不自然であろう。緊急通信装置は墜落のショックで壊れるし、酸素補給用のケースもちょっと暴れただけで壊れるし、ろくな鎮痛剤も積んでいない。こういう宇宙船には絶対に乗りたくないと思う。 


Tetsuya Sato