2013年11月14日木曜日

ザ・カウントダウン 地球大戦争

ザ・カウントダウン 地球大戦争
The War of the Worlds
2005年  アメリカ 135分 VIDEO
監督:ティモシー・ハインズ

けったいな邦題がついているけど、H.G.ウェルズ『宇宙戦争』のおおむね忠実な映画化で、19世末のイギリスが舞台になっている。とはいえ涙が出るような低予算で、出演者はいったいどこから集めてきたのかと感心するほどの素人ばかり(エンディング・クレジットを見た感じでは、ご近所で集まってご家族単位で出演していたような気配がある)、音声はアフレコで口の動きがあっていない、絵は丸っきりの自主製作映画で画面は奥行きに乏しく(人物の背景にしばしば写真が使われており、その場合、奥行きはまったくない)、あまりにも安っぽいのでモンティパイソンのスケッチを見ているような気分になってくるし、CGはCGというよりも(その安っぽさだけが)テリー・ギリアムのアニメに近い。おそらく最大の問題は安っぽさを逆手に取らずに、かと言って格別の創意工夫もないままに大真面目にがんばってしまったところであろう。つまり恐るべき低予算にもかかわらず19世紀末英国の衣装や乗り物、軍隊までできる範囲で再現し、火星人も出して戦闘機械を動き回らせている。そのあたりはいちおうの評価をしなければならないのかもしれないが、うっかり見てしまうと、やはりそれなりのダメージをこうむることになるだろう。ちなみにオリジナルは179分あった模様。 


Tetsuya Sato