2013年10月28日月曜日

アローン・イン・ザ・ダーク

アローン・イン・ザ・ダーク
Alone in The Dark
2005年 カナダ・ドイツ・アメリカ 98分
監督:ウーヴェ・ボル

かつて孤児院にいた時代になにか恐ろしいことをされた記憶を持つエドワード・カーンビーは謎を解くために超常現象の調査にあたっていたが、一万年前に滅んだ謎の種族アビカニ族の遺産をチリで手に入れて帰国したところ、謎の男の襲撃にあい、そのアビカニ族のコレクションを持つ博物館へかつての恋人を訪ねると、そこでは謎の怪物の襲撃にあい、帰宅するとかつての孤児院の仲間で同様になにか恐ろしいことをされた人々の襲撃にあい、政府の秘密機関713の情報によって謎の怪物が大挙出現していることがあきらかにされると、真相を追ってすでに廃坑となった金鉱へ飛び込んでいく。
同じくウーヴェ・ボルの『ハウス・オブ・ザ・デッド』と比べると破格の大作ということになると思うが、へたくそと鈍感な独りよがりは見事なまでに一貫性を確保しており、その点ではまったく予想を裏切らない。登場人物は魅力を欠き、人物関係は関係を欠き、ナレーションによる補足がおこなわれているにもかかわらず話は終始意味不明で、713がなにを狙ってなにを追っているのか、ハシェンズ博士がなにをたくらんでいたのか、主人公にはいったいなにがわかっていたのか、最後まで見てもまったくわからない。冗長なだけで考えた痕跡のない恐怖演出はコミック演出すれすれだし、戦闘になるとマズルフラッシュが考えなしに延々とまたたき、それが催眠効果を誘うので見ているこちらは眠くなる。 

Tetsuya Sato