2013年10月23日水曜日

ミッドナイト・ミート・トレイン

ミッドナイト・ミート・トレイン
The Midnight Meat Train
2008年 アメリカ 100分
監督:北村龍平

事故の写真を撮ってタブロイド紙に売っているカメラマンのレオンは向上心から自分の写真を画商に売り込もうとしたところ、被写体への迫り方が乏しいといったことを指摘されるので、深夜に地下鉄の駅でチンピラがかつあげをしているところへ迫って写真を撮り、その写真を画商にほめられて似たような写真を撮ることになるが、被写体を求めて夜の街をさまよううちに地下鉄の駅からあらわれた男と地下鉄でおこなわれている謎の虐殺事件が接続され、関連を確信したレオンは男を追って男の勤め先である食肉処理場に潜入し、男を追って深夜の地下鉄の駅にもぐり、ついに現場の撮影に成功すると男の反撃にあってカメラを奪われて食肉処理場の地下にある地下鉄の廃駅で目を覚まし、レオンのガールフレンドのマヤはレオンが証拠を奪われたことを知るとレオンのエージェントのジャーギスとともにホテルにある男の部屋を訪れ、もたもたしているうちに発見されてジャーギスは姿を消し、警察に駆け込んだマヤは刑事からジャーギスの居所を告げられて深夜の地下鉄の駅を目指し、一方レオンは食肉処理場を訪れて解体処理用のさまざまな刃物を見につけて食肉処理場の地下の廃駅へ下り、目の前を通り過ぎる地下鉄に男に追われるマヤの姿を認めて地下鉄に飛び乗り、格闘の末の男を倒し、地下鉄が停車した先で肉を食らう父祖と出会い、父祖のために肉を処理する仕事を継ぐ。
クライヴ・バーカーの同名の短編の映画化で、レオンがブラッドリー・クーパー、画商がなぜかブルック・シールズ。疾走する地下鉄はなかなか魅力的に撮られているし、少々余計なカメラワークを除けばゴアシーンもおおむねにおいて成功しているように見えるが、かなりシンプルな原作を100分の話にするために追加された枝葉の部分が登場人物の行動を著しく混乱させている。そして決定的な失敗として、クライマックスで出現するはずの畏怖すべき父祖を登場させないことで、それでそのまま原作と同じ結末にしても説得力は生まれない。


Tetsuya Sato