2013年7月25日木曜日

戦場にかける橋

戦場にかける橋
The Bridge on The River Kwai
1957年 アメリカ 155分
監督:デビッド・リーン

第二次大戦中のタイ・ビルマ国境。日本軍は連合軍捕虜に労役を課していわゆる泰緬鉄道の建設を進めていた。斉藤大佐が指揮する捕虜収容所には英国軍捕虜の一団が到着するが、ニコルソン大佐をはじめとする将校たちはジュネーブ協定を理由に労役を拒む。そこで斉藤大佐はニコルソン大佐を営倉にぶち込み、そうしている間に米軍将校シアーズ少佐は捕虜収容所から脱出を果たし、斉藤大佐は相手の粘りに負けてニコルソン大佐を釈放する。釈放されたニコルソン大佐はクワイ川への架橋建設で日本側に協力を申し入れ、日本側は技術将校の無能を認めて建設の主導権をニコルソン大佐に引き渡す。
一方、脱出したシアーズ少佐はインド駐留の英国軍に保護され、英国側は断れない理由をシアーズ少佐に突きつけて橋の爆破作戦に案内人として参加させる。タイ国内にパラシュートで降下したコマンド部隊は現代的な感覚ではおよそコマンド部隊とも思えないのんびりとした旅でビルマへ近づき、そのかん、さんざんに植民地の白人的な好色ぶりを発揮しながらクワイ川に近づいていく。クワイ川の橋は完成に近づき、英国軍捕虜たちは建設の喜びによって誇りを取り戻し、斉藤大佐はニコルソン大佐に敬意を払い、そのニコルソン大佐は自分たちの偉業を銘に刻んで嬉しそうに橋に打ち付けるが、その橋には払暁を前にすでにコマンド部隊が訪れて橋脚に爆薬をしかけて去っていた。導火線は川の水によって隠されるはずであったが、朝を迎えて川はいきなり水量を減らし、見えないはずの導火線は宙にさらされる。そしてその様子を見て怪しんだのは警備の日本兵(なぜか橋の内側を見てる)でも斉藤大佐(まるで役に立たない)でもなくニコルソン大佐で、目の前にある橋の建設に自分の存在理由をすっかり投げかけていて、利敵行為云々という文脈からまるで離れたところにいたニコルソン大佐はただただ奇怪に思う気持ちから、眉をひそめて導火線をたどっていく。その先には友軍の銃口があり、日本軍の汽車は橋に近づき、爆破の瞬間がいよいよ近づき、シアーズ少佐は叫びを放ち、で、狂気だ、狂気だ、という話になるのである。




Tetsuya Sato