2013年6月17日月曜日

キャンディ

キャンディ
Candy
1968年 フランス・イタリア・アメリカ 124分
監督:クリスチャン・マルカン

高校生の女の子キャンディの前に次から次へと男が現われて、あれやこれやと理屈をつけて押し倒すけど、女の子はそのことをそれほど不快に感じない、という男の身勝手のような話である。
まず、学校の生徒会が講演に招いた「20世紀最大の詩人」マックフィストに口説かれてリムジンの床に押し倒され、続いてマックフィストから怪しい言葉を注ぎ込まれた庭師のエマニュエルに押し倒され、そうしているところを父親に見つかってニューヨークの学校への転校を言い渡され、一家で空港へ向かっているところをエマニュエルの恐ろしい姉たちに襲われる。キャンディがエマニュエルの純潔を奪い、そのせいでエマニュエルは神父になる道を失ったからであったが、襲われているところを陸軍特殊部隊のスマイト准将に救われ、准将の輸送機で移動中にやっぱり准将に押し倒され、ようやくニューヨークに到着すると、今度は世界的な外科医クランカイトに押し倒され、町へ逃げ出したところでせむしの男と出会って屋敷に誘われ、それが実は犯罪一味のリーダーで、ここでも案の定、押し倒され、警察には追われ、ヒッチハイクをしてトレーラートラックに乗り込むとコンテナの中は回廊とプールのある怪しい部屋になっていて、そこでインドの行者に押し倒され、そのままカリフォルニアまで行ってしまう。
素人臭い映画、というよりも事実上の素人映画なのだと思う。いちおうはコメディらしいのだが、下手くそな冗談も含めて最後まで突きあうのにはかなりの忍耐を必要とする。詩人のマックフィストがリチャード・バートン、エマニュエルがリンゴ・スター、その姉の一人がフロリンダ・ボルカン、スマイト准将がウォルター・マッソー、外科医のクランカイトがジェームズ・コバーンで病院の理事がジョン・ヒューストン、せむしの男がシャルル・アズナブルで、インドの行者がマーロン・ブランドととんでもないキャスティングで、出演者はみんな学芸会に出て楽しそう。音楽はデイブ・グルーシン。テリー・サザーンの原作は読んでいない。





Tetsuya Sato