2013年6月12日水曜日

極地からの怪物 大カマキリの脅威

極地からの怪物 大カマキリの脅威
The Deadly Mantis
1957年 アメリカ 79分
監督:ネイザン・ジュラン

北極海で氷山が引っくり返ってそこに閉じ込められていた何かがよみがえり、北極圏に沿って配置されたアメリカ空軍のレーダー監視網が何かをとらえ、監視所の一つが破壊されて配置されていた兵士が消息を絶ち、続いて飛行中のC-47が何かに襲われて墜落し、どちらの現場でも緑色をした巨大な爪のような物体が見つかるので国防省は科学者を集めてこの物体の調査を始め、自然史博物館のジャクソン博士が昆虫の一部である可能性を指摘し、そうしているあいだにもグリーンランドでエスキモーの村が襲われ、空軍の要請でアラスカを訪れたジャクソン博士は基地を襲う巨大なカマキリを目撃し、しかもこのカマキリは一直線に南下しているということがわかり、合衆国東海岸の北のほうから目撃報告が寄せられるようになり、レーダー網が怪物を追い、民間の防空監視隊が低空で飛ぶ怪物を見張り、ワシントン近郊では列車やバスが襲撃され、ワシントン記念塔に怪物が現われ、空母から発進したバンシー戦闘機の編隊がロケット弾で攻撃を加え、地上から発進した空軍のセイバー戦闘機の編隊もロケット弾で攻撃を加え、怪物はニューヨーク上空で被弾したあとマンハッタンのトンネルに逃れるので軍隊、警察、消防が出動してトンネルの入り口をふさぎ、トンネル内を煙で満たしたところで兵士の一隊を送り込んで至近距離から攻撃する。 
ウィリアム・アランド製作。巨大カマキリが正体を現わすまでのプロセスと軍や科学者たちが正体を調べるプロセスがきっちりと並べ、怪物が現われてからは被害の様子を織り込みながらおもに防空システムを動かしていく、という正攻法の構成で、登場人物は自分の仕事に集中するし、巨大カマキリもそれなりに迫力があるし、ミニチュア、光学合成は水準が高いし、ということで見栄えのする怪獣映画に仕上がっている。 


Tetsuya Sato