2013年6月10日月曜日

モグラ人間の叛乱

モグラ人間の叛乱
The Mole People
1956年 アメリカ 77分
監督:ヴァージル・ヴォーゲル

アジア某所で考古学者たちが発掘調査をおこなっているとありえない地層からシュメール文字で書かれた碑文が見つかり、近くの山では同じくシュメール文化に属するランプが見つかり、この山こそが大洪水のあとで方舟が漂着した場所ではないかとあたりをつけて、ガイド、シェルパ多数をともない、登山装備に身をかためて登山を開始し、まずベースキャンプを設営し、さらに登ったところに第二キャンプを設営し、考古学者とガイドだけのアタックチームが難所を越えて進んでいくと古代シュメールの遺跡が見つかり、唐突に開いた地面の穴に考古学者の一人が落ちるので、穴を覗いて懐中電灯で照らしてみても底が見えない、ということで考古学者たちは穴に入ってロープを伝いながら下を目指し、とうとう底に着いたところで同僚の死体を発見し、そこへガイドと一緒に大量の土砂が降ってくるので考古学者たちは洞窟に閉じ込められ、懐中電灯の光を頼りに出口を探して歩いていくと、これはどうやら人間の手が入った洞窟らしい、ということに気がついて、さらに進むと広大な空間にゆきあたってそこで都市の遺跡を発見し、休憩を取ろうと横たわると地面を割って現われたモグラ人間に捕えられてどこかへ運ばれ、何があったのかといぶかしんでいると古代シュメールの装束をまとった兵士が現われ、考古学者たちは地下に造られた宮殿で古代シュメールの王と出会って即刻死刑が宣告されるが、その場からどうにか逃れて追手に懐中電灯の光を向けると五千年にわたる地下生活の結果、光過敏になっていたシュメール人は悲鳴を上げて逃げ出し、考えを変えた王は考古学者たちをイシュタルの使いとして歓迎し、考古学者たちは地下のシュメール人たちが全部で百五十人ほどで、キノコを常食としていて、食料不足を解消するために厳重な産児制限をおこなっていることを知り、多数のモグラ人間が奴隷として酷使されている有様なども目撃し、奴隷制に反発した考古学者たちはモグラ人間に肩入れし、王の神官は懐中電灯を奪えばいかなる支配も思いのままだと陰謀をたくらみ、神官は考古学者たちに毒をもって懐中電灯を奪い取るが、そこへ決起したモグラ人間が襲いかかる。 
ウィリアム・アランド製作。地下世界のマットアートがいまひとつ面白みを欠いているが、地下生活に適応したシュメール人の設定などはいちおう考えたような気配があるし(ヒツジのエサをどうしていたのかまでは説明がないが)、モグラ人間の造形もそれなりの仕上がりになっている。ただ演出は凡庸で迫力がない。 



Tetsuya Sato