2013年5月6日月曜日

テール しっぽのある美女

テール しっぽのある美女
Thale
2012年 ノルウェイ 75分
監督:アレクサンデル・ノダース

ノルウェイの森の奥にひそむ湖のほとりにたたずむ一軒家で初老の男性が細切れの死体で発見され、死体処理のために派遣されたレオとエルヴィスのふたりは死体の破片を探しているうちに家の地下室にゆきあたり、そこで見つけたドアを開けて中に入ると研究室のような場所が見つかり、おそるおそるに入っていくと液体を満たしたバスタブのなかから全裸の女性が現われる。
異常な状況で発見されたわけだからすぐに警察を呼ぶとか救急車を呼ぶとかしそうなものを、死体処理業者のこの二人組は同僚に応援を頼むだけで、なかなか来ない応援を待ちながら床に腰を下ろして食事を始め、そうしているとなにやら怪しい気配が接近し、地下室で見つけたテープを再生してみるとなにやら要領を得ない手がかりのようなことを言っていて、冷蔵庫には切り落とされた牛のしっぽのようなものがあり、発見された全裸の娘が頭に描く過去の情景が断片的に挿入され、最後の15分ほどになって滅菌服を着た武装集団が出現してこれまた要領を得ないことをしゃべり始め、つまり娘は森の妖精フルドラだと言いたいわけだけど、できることなら言明を避けたいという不可解な方針が採用されているらしい。
映像はそれなりに幻想的だが、同じノルウェイ映画でもアホ全開の『トロール・ハンター』に比べると思い切りが悪いし、75分というかなり短めの尺にもかかわらず尺を引き延ばすためとしか思えないハイスピードショットがやたらと使われている、という点ですでにだめ。 


Tetsuya Sato