2013年5月17日金曜日

ザ・メキシカン

ザ・メキシカン
The Mexican
2001年 アメリカ 127分
監督:ゴア・ヴァビンスキー

なぜか犯罪組織の使い走りをしているジュリーは恋人のサマンサとラスベガスへ行く約束をしていたが、一挺のピストルを受け取るためにメキシコへ行くことになり、それを怒ったサマンサは一人でラスベガスへ出かけていく。メキシコへ到着したジュリーはピストルを手に入れるが、その直後にトラブルに巻き込まれ、一方、サマンサもジュリーのトラブルに連動してトラブルに巻き込まれていく。
ヴァビンスキー作品の常としてプロットの主軸に対する集中力は乏しいが、登場人物がそれぞれに抱いている雑念は例によって面白い。そしてその雑念がプロットと得体の知れない綱引きをする形でプロットが進行していくことになるので、見た目には話がどう転ぶのか、いまひとつよくわからない、ということなるのである。それを魅力と見るか、絞まりの乏しさと見るかは、好みの分かれるところであろう。無理矢理に話を結末へ向かって押し込んでしまうあたりには多少の難を認めるが、わたしには好みの作品であった。ブラッド・ピットにはややムラがあり、ジュリア・ロバーツはおとなしすぎる。アラン・シルヴェストリがエンニオ・モリコーネばりの悪乗りした音楽をつけていて、これは楽しい。 



Tetsuya Sato