2013年5月14日火曜日

摩天楼を夢みて

摩天楼を夢みて
Glengarry Glen Ross
1992年 アメリカ 100分
監督:ジェームズ・フォーリー

不動産販売会社のニューヨークにある支社に本社のトップセールスマンが現われてすぐにも結果を出さなければ解雇すると檄を飛ばし、解雇の恐怖におびえたセールスマンたちがうろたえたり怒ったりしながらエゴをむき出しにしてしゃべり続ける。デヴィッド・マメットの戯曲からの翻案で、場面の構成もおそらくは演劇的に限定されている。
冒頭、病気の娘を心配して電話にかじりついている初老のセールスマンがジャック・レモン、その横で別の電話をかけているセールスマンがエド・ハリス、電話の横にトイレがあって、そのトイレの入り口でエド・ハリスが文句をつける支社長がケヴィン・スペイシー、支社の向かいのレストランのバーに現われていきなり能書きを垂れ始めるのがアル・パチーノ、そのバーカウンターでうなずいているのがジョナサン・プライス、午後七時半のミーティングで檄を飛ばすトップセールスマンがアレック・ボールドウィン、自分はこの仕事に向いていないと嘆くのがアラン・アーキン、という具合で、この地味な話にすさまじいキャスティングである。90年代初頭だとしても心理的にあまりにも古めかしいし、造形がやや類型的であるという印象もあるが、全員が演技力全開という雰囲気で、悲哀に満ちたジャック・レモン、やたらと自信過剰のアル・パチーノ、とにかくふてくされているエド・ハリスなど、いずれも見ごたえがある。 




Tetsuya Sato