2013年3月9日土曜日

ハリケーン

ハリケーン
The Hurricane
1937年 アメリカ 103分
監督:ジョン・フォード、スチュアート・ヘイスラー

フランス統治下のマヌクラ島で暮らすテュアモトゥ族の族長の娘マラマは帆船カトプア号の乗員テランギと結婚するが、テランギは渡航先のタヒチで酔っ払った白人にからまれて暴力事件を引き起こし、六か月の服役を命じられる。ところがテュアモトゥ族はそもそも拘束を嫌い、とりわけテランギは窓があれば飛び立ち、水があれば泳ぎ出すという体質の持ち主であったため脱獄を何度となく繰り返すことになり、そのたびに刑期を加算されて六か月の刑がいつの間にか十六年の刑になっていて、それでもあきらめずに脱獄を試み、投獄されてから八年後、ようやく成功してカヌーを盗み、千キロ近い海を渡ってマヌクラ島への帰還を果たし、妻と再会し、成長した娘と顔をあわせる。テランギは族長の勧めにしたがって妻子とともに島から逃れることになり、テランギの帰還を住民のニヤニヤ笑いから気づいた島の総督はカトプア号を挑発してテランギの捜索を開始するが、そこへとてつもないハリケーンが襲いかかり、そもそも平らであったマヌクラ島は木も建物も吹き飛ばされてまったくの平らな場所になり果てる。
ドロシー・ラムーアの肢体がなまめかしい南洋物。島の総督がレイモンド・マッセイ、医者がトーマス・ミッチェル、テランギをいじめるタヒチの刑務所の看守がジョン・キャラダイン。いかにもジョン・フォードらしいきっちりとした人物描写は見ごたえがあり、クライマックス、風速60メートルのハリケーンのシーンはやっぱりすごい。




Tetsuya Sato