2013年3月15日金曜日

ズーランダー

ズーランダー
Zoolander
2001年 アメリカ 89分
監督:ベン・スティラー

マレーシアの労働力を安く使って稼いでいたファッション業界は、最低賃金の見直しを公約する新首相の政策に危機感を感じて暗殺を計画する。暗殺者として選ばれたのは男性モデルのトップに君臨するデレク・ズーランダーで、まったくの阿呆なので言うとおりに動く、というのが選択の理由であった。暗殺の舞台としてショーが仕組まれ、ズーランダーは洗脳されて武術を仕込まれる。だが陰謀を知ったTIME紙の女性記者の活躍によって暗殺は失敗し、ズーランダーはマレーシアの首相を危機から救うのであった。
監督、脚本、主演がベン・スティーラーで、本人があの顔で図々しく「世界で一番美しい男」を演じている。男性モデルは徹底的にアホとして描かれていて、どのくらいアホかというと水をぶっかけあってはしゃいでいるうちに水とガソリンの区別がつかなくなって、ガソリンまみれになったところでタバコに火をつけてみんなで爆死するくらいにアホなのである。だから陰謀を暴くためにモデル事務所に潜入し、コンピューターを調べて秘密ファイルを探し出し、それをさらに電子メールで送り出すなどというミッションは、まずパソコンを起動するところで挫折して、どうすればいいんだと騒いでいるうちに興奮して『2001年』のおサルのような状態になってくる(しかもそばには振り回せるようにちゃんと骨が)。 全体に冴えはないものの、他愛のなさがそのまま微笑ましさになっていて、映画の雰囲気は悪くない。ミラ・ジョヴォビッチがカティンカ・インガボゴヴィナナナという凄まじい名前で登場するほか、クリスチャン・スレイターやデビッド・ボウイなどが本人役で顔を出している。 





Tetsuya Sato