2013年2月1日金曜日

わが命つきるとも

わが命つきるとも
A Man for All Seasons
1966年 イギリス 120分
監督:フレッド・ジンネマン

ロバート・ボルトの舞台に基づく。ヘンリー八世の離婚問題で、カトリック教徒としての立場を固持してあくまでも反対し、反逆罪に問われて処刑されたトマス・モアの最後の季節を描いている。役者をよくそろえていて、ポース・スコフィールドのトマス・モアももちろんだけど、ロバート・ショーのヘンリー八世がいかにもという雰囲気を出していて実によろしい。ちなみに権力の臭いを嗅ぎつけてトマス・モアの周辺をうろちょろするのが若いジョン・ハート、ヘンリー八世の横にいてほとんど人形同然のアン・ブリンがヴァネッサ・レッドグレイブである。白眉はクライマックスの法廷場面になるが、これはもうなんとも言ってみようがない。演劇的に完成されたダイアログの最良の見本なのである。 



Tetsuya Sato