2013年1月27日日曜日

ロンドンゾンビ紀行

ロンドンゾンビ紀行
Cockneys vs Zombies
2012年 イギリス 88分
監督:マサイアス・ヘイニー

イーストエンドの労働者階級出身のマクガイア兄弟は犯罪に走った両親を失ったあと祖父の手で育てられたので祖父のことを慕っていて、その祖父がいる老人ホームが取り壊しになると知って老人ホームを救うために銀行強盗をくわだて、銀行に強盗に入って予想を上回る額を手にして出てくると一帯はゾンビでいっぱいになっていて、祖父がいる老人ホームもまたゾンビによって包囲されているので、兄弟は祖父を救うために武器の山を抱えて老人ホームにかけつける。
なにかしらコックニー的な要素を盛り込んでゾンビ映画に仕立てようという意気込みはうかがえるものの、プロットは創意に乏しいし、脚本は荒削りな上にダイアログの無駄が目立ち、キャラクターはおおむねにおいて未消化のまま投げ出され、著しくリズムを欠く演出は脚本の欠陥を糊塗するよりも際立たせるほうにもっぱら効果を発揮している。ゾンビのフーリガン対ゾンビのフーリガンなどといった面白いアイデアが入っているのに演出がへたくそなせいでまったく盛り上がらずに終わっているし、ところどころに挿入されるカットバック、ワイプ、スプリットスクリーンも使い方がへたくそなのではっきり言って邪魔なだけ。総じて退屈な仕上がりである。この88分はいささか長い。老人ホームにいるおばあさんの一人が懐かしやオナー・ブラックマンで、当然と言えば当然だが、すっかりおばあさんなのであった。 




Tetsuya Sato