2012年12月11日火曜日

バイキング

バイキング
The Vikings
1958年 アメリカ 111分
監督:リチャード・フライシャー

ヴァイキングのラグナーはノーサンブリアを襲撃して王を殺し、生き残った王妃はラグナーの子を生み落とす。それから20年、ラグナーの粗暴な息子エイナーは奴隷エリックが放った鷹によって左目を失い、怒ったエイナーはエリックに緩慢な死を与えるが、実はこのエリックこそがエイナーの父ラグナーがノーサンブリアの王妃に生ませたこどもであり、イギリスからイタリアへと送られる途中、ヴァイキングの襲撃にあって奴隷の身に落とされてはいたが、エイナーにとっては腹違いの弟なのであった。その事実に気がついたイギリスの裏切り者エグバート卿はエリックを救い、一方、ラグナーとエイナーの親子はエグバートの入れ知恵でウェールズを襲い、ノーサンブリアの王アエリアの婚約者モルガナをさらう。ノーサンブリアの王からたんまりと身代金を取ろうという魂胆であったが、エイナーはモルガナに愛を抱き、奴隷のエリックもまたモルガナに愛を抱き、エイナーがモルガナを押し倒したところをエリックがエイナーを打ち倒し、エリックがモルガナの手を引いて小舟に乗って逃走すると、気がついたエイナーが父ラグナーとともに長い船に乗って追いかけてくる。そこでエリックの船は霧の中へもぐり込み、ヴァイキングもまた危険を冒して船を霧の中へと乗り入れる。エリックは方位磁石を持った黒人を連れていたので霧の中でも方角を見失うことがなかったが、ラグナーの船は暗礁に衝突して沈没し、エイナーが追跡を断念すると、エリックはラグナーを海中から救い、モルガナをノーサンブリアへ送り届ける。すると狭量なアエリア王はラグナーを殺し、ついでにエリックの左手を切り落とし、エイナーがエリックへの復讐を誓って騒いでいると、そこへアエリア王への復讐を誓ったエリックが姿を現わし、ラグナーの最期を知ったエイナーはエリックと結んでアエリア王の城を攻める。
エイナーがカーク・ダグラス、エリックがトニー・カーチス、モルガナ姫がジャネット・リーである。奴隷のエリックは登場するやいなやエイナーに喧嘩を売って傷を負わせているが、こんな調子で20年もやっていたのか、とか、だったらどうして今日まで生き延びてこられたのか、とか、この黒人はどこからやってきたのか、とか、見ていると疑問に感じることがそれなりにあるし、たぶんプロットはそうとうに軋んでいたと思うのだが、戦闘場面などはそれなりに真面目にやっていたのではないかと思う。小振りのヴァイキング船が三隻、イギリスの古めかしい帆船が一隻、復元されて登場する。





Tetsuya Sato