2012年10月10日水曜日

ウルフハウンド 天空の門と魔法の鍵

ウルフハウンド 天空の門と魔法の鍵
Volkodav iz roda Serykh Psov
2007年 ロシア 136分
監督・脚本:ニコライ・レベデフ

冒頭、平和な村が騎馬の集団の焼き討ちに遭い、生き残った少年は奴隷にされて鉱山に送られ、成人すると剣士になって父親の仇を討ち、呪いをかけられた町を訪れて姫と出会い、政略結婚のために旅立つ姫の護衛となり、その姫の命を狙う怪しい集団の襲撃を退け、ところが身内の裏切りに遭い、さらわれた姫を助けるために馬を駆り、怪しい集団の怪しい儀式の真っ最中に飛び込んでいって大乱闘をする。
いわゆる剣と魔法系のファンタジーに分類可能な内容だが、きわめて民話的な風味に仕上げられていて、そこへ古代ロシア風の情景がどことなくソヴカラーを模したような色調で広がっていく。シンプルなプロットの割には整理が悪いし、作り自体もいささか不器用だが、見せ場にはそれなりの作り込みが見え、美術はとにかく見ごたえがあり、撮影も美しい。丸太を組んだ町のセットはそれだけでも見る価値があるだろう。そして主人公が連れているコウモリがなんだかかわいらしいのである(最後には大活躍をする)。拾い物。





Tetsuya Sato