2012年10月14日日曜日

十月

十月
Oktyabr
1927年  ソ連 109分
監督:セルゲイ・M・エイゼンシュテイン、グリゴリー・アレクサンドロフ

二月革命後、ケレンスキーに対する不満が高まったところへレーニンが帰国して四月テーゼを発表、労農大衆の行動に対する七月の反動があり、ボリシェヴィキは地下に潜伏、コルニーロフのクーデターを経て十月革命が起こり、ケレンスキー政権が崩壊するまで。レーニンのそっくりさんなどが登場し、革命の場面では膨大な数のエキストラが動員され、オーロラ号の砲撃もあり、冬宮の戦闘では婦人部隊と士官候補生が最後まで抵抗し、当然ながら反トロツキー的な味付けが加えられている。
過剰な上にときどき意味不明になるアナロジーがうるさいものの(おたふくのお面にどんな意味があったのか?)、ロシア革命の半年間にわたる経過を象徴的な場面で構成し、クライマックスに向かって盛り上げていく手法は見ごたえがあり、この作品に限ったことではないが、エドゥアルド・ティッセのシャープな撮影が印象的である。ボリシェヴィキを傘の先でつつき殺すブルジョアのおばさんたち、冬宮に立てこもった婦人部隊のおばさんたち、という具合に、なんだかおばさんたちがおっかない映画でもある。 


十月 [DVD]
Tetsuya Sato