2012年10月1日月曜日

ボーン・アイデンティティ

ボーン・アイデンティティ
The Bourne Identity
2002年 アメリカ・ドイツ 119分
監督:ダグ・リーマン

ロバート・ラドラムの「暗殺者」の映画化。マルセイユ沖を漂っていた男をイタリアの漁船が救出する。男は撃たれていた上に記憶を失っていて、皮膚の下に埋め込まれたカプセルにはスイスの銀行のナンバー口座が記されていた。そこで男はスイスまで出かけていって貸し金庫を調べると、そこには複数の名義の身分証と大量の現金と銃が隠されていた。ということでジェイソン・ボーンの自分探しの旅が始まり、ドイツから出てきたボヘミアンな女の子のミニに乗り込んでパリへ出かけていくのである。そうするとCIAが勝手に大騒ぎをして殺し屋を送り込んできたり、警察に情報を流して捜させたりするので大事にならずに済むような話が無意味に大きくなっていって、後の始末が付けにくくなっていく。
構成上のバランスがあまりよろしくないのであろう。記憶喪失の設定もストーリーの進行を遅延させているだけで、格別意味があったようには思えなかった。もう少し原作の制約から離れてもよかったのではあるまいか(製作がラドラム本人だから無理だと思うけど)。あと、マット・デイモンという退屈な配役はストイックなアクション・シーンも含めてある種のスタイルであろうと考えるが、結果としては大きなハンディキャップとなってしまったような気がしてならない。 

ボーン・アイデンティティー [DVD]
Tetsuya Sato