2012年9月3日月曜日

巨大蟻の帝国

巨大蟻の帝国
Empire of the Ants
1977年 アメリカ 89分
監督:バート・I・ゴードン

不動産会社の土地見学ツアーに参加した男女十人ほどがフロリダの海岸にある世にもいかがわしい開発予定地を訪れて、それぞれの事情をあれやこれやと勝手に口にしていると、そこへ放射能の影響で巨大化したアリが現われて襲いかかるので、生き残った人々はジャングルを抜け、沼沢地を抜け、どうにか近くの町にたどり着くが、その町はすでに巨大アリの支配下に置かれて住民は女王アリのフェロモンをかがされてすっかりアリの奴隷になっている。
いちおう文明批評的な側面があって、救いのない結末も含めてそのあたりはいちおう評価すべきかもしれないが、バート・I・ゴードン自身による脚本はダイアログも含めていろいろと寝ぼけているような気がするし、バート・I・ゴードン自身による特殊効果で作った巨大アリというのがおがくずを敷いたガラスケースの中のアリを接写で大きくして、それを固定マットでスクリーンの一角にはめ込む、というおそろしくシンプルなしろもので、そういうアリが建物にからむシーンではその建物が歴然と写真だったりすると(つまりビルの写真にバッタをたからせただけの1957年の『世界終末の序曲』から何も変わっていない)、工夫のなさには多少あきれることになるのである。 



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Tetsuya Sato