2012年7月2日月曜日

太陽に灼かれて

太陽に灼かれて
Utomlyonnye solntsem
1994年 ロシア/フランス 135分
監督:ニキータ・ミハルコフ


内戦の英雄セルゲイ・ペトロヴィッチ・コトフ大佐が妻マルーシャと娘ナージャとともに休暇で芸術村のダーチャにいると、そこへマルーシャの幼馴染みであり、マルーシャの恋人でもあったドミトリが10年ぶりに姿を見せ、ドミトリを知る人々は興奮して迎え、ドミトリとマルーシャは川辺のピクニックで過去を語り、二人を囲む人々はフランス語で会話を始めてピアノを弾いてカンカンを踊り、フランス語を解さないコトフ大佐は表情を隠して食事を始め、ドミトリがナージャに伝える即興のおとぎ話にはある種の事実が織り込まれ、間もなくマルーシャは取り乱し、コトフ大佐は取り乱したマルーシャを追い、マルーシャが気を取り直したころ、ドミトリはコトフ大佐に来訪の目的を明かして車を待つ。
人生を奪われ、裏切られたと感じて自滅へと走るドミトリがオレグ・メンシコフ、その自滅に巻き込まれるコトフ大佐がニキータ・ミハルコフ。オレグ・メンシコフの演技がすごい。丹念なスケッチとそのスケッチを上塗りしていく人物の狂騒はさすがにミハルコフという感じで、きわめてテンションの高いものに仕上がっている。また終盤、NKVDの出現からスターリン気球の上昇にいたる一連の場面の恐怖感は並大抵のものではない。 




太陽に灼かれて [DVD]

Tetsuya Sato