2012年5月18日金曜日

動くな、死ね、甦れ!

動くな、死ね、甦れ!
Zamri, umri, voskresni!
1989年 ソ連 105分
監督:ヴィターリー・カネフスキー


極東の町スーチャンで母と暮らす少年ワレルカは学校のトイレのイースト菌を混入したことで叱責を受け、さらに鉄道のポイントをいじったことで列車を脱線させたことから家に帰るに帰れなくなり、列車に乗って町を移り、そこでも警官に追われたことから社会的親近分子の仲間となり、強盗に手を貸したりしているうちにスーチャンから近所の少女ガーリヤが迎えに現れるので、密告を恐れた社会的親近分子の追手から逃れてスーチャンを目指す。
第二次大戦直後が背景になっていて、スーチャンの町にはどうやらラーゲリがあり、日本人捕虜が収容されている。劇中での説明は一切ないが、ワレルカの母親ももとは囚人で、釈放後も町にとどまって自由雇用人をしているように見える。モノクロの映像で映し出されるスーチャンの町はひたすらにわびしく、地面はただもうぬかるんでいる。人心はすさみ、口から出る言葉は荒々しく、挙動に優しさを見つけることは難しい。おそらくは見たままであろう、さまざまな意味での最果てぶりは重みをもって見ている側にのしかかるが、一方、時折前景化するストーリーが妙にわずらわしい。 




動くな、死ね、甦れ!【字幕版】 [VHS]

Tetsuya Sato