2012年5月13日日曜日

ロボット

ロボット
Endhiran
2010年 インド 139分
監督:シャンカール


バシーガラン博士は10年にわたる研究の末に自分とそっくりの姿を持つ百人力のロボット、チッティの開発に成功するが、バシーガラン博士の師匠筋であるボラ教授はバシーガラン博士の成功をねたみ、インド政府を代表してチッティの認可を拒んでチッティに善悪の判断ができない、というよりもそもそも軍用に開発されているのでアシモフのロボット三原則を無視していて、だから見境なしにひとを殺す可能性があることを指摘するので、バシーガラン博士は人間の感情に関するあれやこれやをチッティに教え、そのチッティに雷が落ちると何があったのか、チッティに感情が芽生え、チッティはバシーガラン博士の婚約者サナに感情を抱いて博士からサナを奪おうと試み、さらにはインド軍による審査では兵士としての素質を披露するかわりにサナを賛美する詩を歌ったりしたことから、バシーガラン博士は怒りを抱いてチッティを解体し、ゴミとして捨てられたチッティをボラ教授が回収し、バシーガラン博士を破滅させるためにチッティを殺人ロボットに改造すると、一切の抑制を失ったチッティはバシーガラン博士とサナの結婚式の会場に乗り込んでサナを奪い、警備員を射殺し、大量の警官を殺害し、ロボットの軍団を作り上げて出動してきた軍隊と戦う。
主演は「スーパースター」ラジニカーント。オープニングで「スーパースター」ラジニカーントとクレジットが現われたときにはなぜだかわからないが感動した。1949年生まれなので撮影当時61歳ということになるが、あいかわらず精悍で年齢はまったく感じさせない。映画そのものについて言えば、構成がやや説明的で、場面のつなぎにもいささか雑な部分があり、決してよく出来ているとは思えないが、後半に入ってチッティが凶悪化すると、合体したり変形したりと破天荒な映像の連続になり、このパワーにはただただ圧倒されるだけである(すでに何度もyoutubeで見ていたとしても)。インド映画としては破格の大作ということらしいが、シネスコサイズではないので、画面が微妙に量感を欠いているのが惜しまれる。オリジナルは日本公開版よりも15分ほど長い155分で、推測の域を出ないものの、ダンスシーンが一つ省略されているような気がする。 


Tetsuya Sato