2012年4月2日月曜日

天地創造

天地創造
The Bible: In the Beginning...
1966年 アメリカ/イタリア 175分
監督:ジョン・ヒューストン

『創世記』を天地創造から始めてアダムとイブの楽園追放、カインによるアベルの殺害、ノアの箱舟、バベルの塔のエピソードがあり、神の声を聞いたアブラムがウルの地を離れてカナンの地にたどり着き、アブラムの牧者とロトの牧者とのあいだで争いが起こったためにアブラムとロトは別れ、ロトはヨルダン川の平原に下ってソドムを訪れ、王たちの戦いがあってソドムとゴモラの側が破れ、捕虜となったロトを救うためにアブラムは郎党を率いて夜襲をしかけ、ロトとその財産が救い出され、アブラムの子サライは子を産まなかったので下女のハガルをアブラムに差し出し、ハガルは身ごもるとサライを見下し、ハガルはイシュマエルを産み、契約がおこなわれ、契約のあかしとして割礼がほどこされるようになり、アブラムはアブラハムとなり、アブラムの妻サライはサラとなり、サラは諸民族の王を産むと予告され、アブラハムの前に現れた御使いはソドムとゴモラの滅亡を予告し、ロトはソドムの門で御使いを迎え、御使いを捕えようとしたソドムの民は御使いににらまれて光を失い、ロトは御使いの命じるままに妻子を連れてソドムから逃れ、ロトの妻は振り返ってソドムの滅亡を見たのでその場で塩の柱に変わり、アブラハムの妻サラはイサクを産み、イシュマエルがイサクに侮辱を与えるのを見たサラはハガルとイシュマエルの追放を望み、アブラハムは神の声を聞いて妻の言葉にしたがい、砂漠に逃れたハガルの前に泉が湧き出し、神の声はアブラハムにイサクをいけにえに捧げるように命じるので、アブラハムはイサクを連れてソドムの廃墟を抜けて山にのぼり、そだの束の上に縛ったイサクを置いて屠ろうとするところまで。
ノアがジョン・ヒューストン、カインがリチャード・ハリス、アベルがフランコ・ネロ、ニムロデ王がスティーブン・ボイド、アブラハムがジョージ・C・スコット、サラがエヴァ・ガードナー、御使いがピーター・オトゥール。ディノ・デ・ラウレンティス製作による大作であり、ノアの箱舟はかなり大きなセットが組まれているし、そこに乗り込む動物たちも多彩だし(未発見大陸や北極の動物までが)、バベルの塔もなかなかに壮観ではあるものの、『創世記』の要所要所をとりあえず視覚化してみた、という以上のものではなく、内容が内容だけに特段の演出がおこなわれているわけでもない。 



Tetsuya Sato