2012年3月25日日曜日

トロール・ハンター

トロール・ハンター
Trolljegeren
2010年 ノルウェイ 103分
監督:アンドレ・ウーヴレダル


大学生のドキュメンタリー撮影チームがクマの密猟をしているハンターの噂を聞きつけ、その所在をつきとめて近づいていくと、そのハンターが狩っているのはクマではなくてトロールであることが判明し、しかも密猟をしているのではなくてノルウェイ政府の秘密機関の指示を受けてテリトリーから逃げ出したトロールを追いかけていて、テリトリーから逃げ出したトロールがウシやヒツジ、ドイツ人観光客などを殺害すると、そのトロールをエサやキリスト教徒の血でおびき出すと紫外線をあてて攻撃し、いたって淡々と処分してからノルウェイ政府がポーランドから密輸入しているクマ(これ、スカンジナヴィアのクマじゃないぞ。クロアチアのクマですけどね、どうせわかりゃしませんよ)をトロールの代わりに置いてトロールの存在を隠蔽しているのであった。全体としてはややアイデア倒れの気味があるし、いわゆるPOVの形式であるにもかかわらず、ときどき形式を忘れているようなところがある。とはいえ細部は丹念に作り込まれているし、トロールの見せ方などはなかなかにうまくて、特に体長60メートルの巨大トロールが出現するシーンのもったいぶりには感心した。一見の価値はあると思う。



Tetsuya Sato