2012年3月21日水曜日

大列車作戦

大列車作戦(1964)
監督:ジョン・フランケンハイマー


1944年。解放を間近に控えたパリ。ドイツ軍のワルデハイム大佐は貴重な絵画のコレクションをドイツ本国へ送ろうとするが、フランス鉄道員の妨害に遭う。まず駅名の表示を変更して路線を偽装し、すでにドイツ国内に戻ったと信じ込んでいるドイツ軍を乗せたままパリの周囲をうろうろさせ、出発点まで引き寄せてから鉄道事故で輸送列車を挟撃し、それでもドイツ軍が列車を動かすと、今度は線路に爆薬を仕掛け、そうしているうちにパリは解放されてしまうのである。
レジスタンス・グループのリーダーがバート・ランカスターで、これはフランス人には見えようがない。ワルデハイム大佐がポール・スコフィールドで、これは一種の悪凝りのように見えなくもない。見どころというのはおもに脱線で、祖国の美術品を守るためにとにかく脱線するのである。そのたびに立派な機関車は転がったり吹っ飛んだりするので見て心が痛むのだが、とにもかくにも迫力はある。ジョン・フランケンハイマーの演出はテンションが高く、無駄が排してあるので見ていて心地よい。 






Tetsuya Sato