2012年2月25日土曜日

ゾーダ(ゾウだ?)

ゾーダ(2002)
Treck
監督:チャンチャイ・パンタシ


タイの映画である。全身に毛の生えた謎の象が目撃された、ということで、「アジア象を守る会」の会長はその象の実在を確かめるために会員を引き連れてジャングルを目指す。会長のほかはタイ人の若者5人(うち女性が2人)、黒人1人(役に立たない)、外国からやってきた白人のカップル1組(役に立たない)、マルチーズ1匹(もちろん役に立たない)という構成である。ところがジャングルの入り口にある村ではガイドにガイドを断られ、仕方なく自力で進んでいくと地面がいきなり口を開いてムカデの大群が出現し、1人が生きたままで食われてしまう。探検の指揮を取る会長もまた重傷を負い、よほどの重傷なのか、若者の1人になんとしても使命を果たせと言い残して自分はいきなりピストルで頭を撃って死んでしまう。考えは足らないけれど使命感は強い人だったのであろう。そこで同じように考えの足らない若者たちが遺志を継ごうと決意していると、一度は協力を断ったガイドがどこからともなく現われて、今度はガイドをしようと申し出る。ところがこのガイドは間もなくサソリの大群に生きたまま食べられてしまい、ガイドを失った探検隊のメンバーは独力でジャングルからの脱出をはかるが、そのあとも巨大なクモ、巨大なヘビ、凶暴なハエだかなんだかの群れなどと遭遇し、そのことごとくが彼らを生きたままで食べてしまおうとするのでたいそうな苦労をするのであった。ろくな装備も持たず、無線機もGPSもなし、服装も靴も普段のままで、そしてほぼ全員が健忘症という有様では仕方がなかろう、と思うのである。ただ、何がなんでも見せ場を作ろうという気力は認めなければならないだろう。水中から現われる大ヘビのCGなどは頑張っている。
ZODA ゾーダ [DVD]

Tetsuya Sato