2012年2月8日水曜日

太平洋の嵐

太平洋の嵐(東宝 1960、118分)
監督:松林宗恵

真珠湾奇襲攻撃からミッドウェイ海戦まで。いちおう夏木陽介扮する艦上爆撃機の航空士が主人公で、淡々としたモノローグが挿入されたり、休暇で家へ帰ったり、いきなり祝言をあげる話になったり、まさしくそうしようとしているところへ本隊からの帰還命令が届いたり、といったことが起こるものの、映画自体が格別のドラマを求めていないため、特に存在感を発揮しているわけではない。ということでオールスターキャストのドキュメンタリータッチなのだと言えば聞こえがいいが、実際には単に凡庸で魅力に乏しいだけであろう。昔は興奮した円谷特撮も同一スケール内で大半のショットを処理するため、こまかいカット割りに慣れてしまったこちらの目にはむしろ工夫を欠いているように見えてくるのが少し悲しいような気もする。 




Tetsuya Sato